活動内容説明文書とは何か——2025年7月から必須になった書類を正確に理解する

経営管理ビザの更新申請で、2025年から新たに必要になった書類がある。

「活動内容説明文書」だ。

この書類は、2025年10月16日の省令改正よりも前——2025年7月17日以降の更新申請から、カテゴリー3・4に該当する中小規模の事業者向けに提出が義務化された。

10月の改正で注目を集めた「資本金3,000万円」や「日本語能力要件」と比べると報道が少ないが、実務上は更新許可の可否を左右する重要な書類だ。


なぜこの書類が導入されたのか

従来の更新審査では、決算書・税務申告書・登記事項証明書などの形式的な書類が中心だった。

しかしこれらの書類だけでは、「経営者本人が実際に経営に関与しているか」を確認することが難しかった。決算書は存在しても、実際の事業活動が乏しいケース、業務を外部に丸投げして名義だけ維持しているケース——こういった状況を書類だけで見抜くことには限界があった。

入管庁の公式QAでは、経営者としての活動実態が十分に認められない例として以下を示している。

  • 業務の大半を外部に委託し、日常的に申請人本人による経営活動を行っていない場合
  • 具体的な事業内容や財務状況など、経営者として本来把握すべき情報を把握していない場合

活動内容説明文書は、この「経営者本人の実態」を文章で説明させることで、形式的な書類審査では見えにくかった部分を可視化する狙いがある。


何を書く書類か

入管庁の公式案内によると、活動内容説明文書は「直近の在留期間における経営・管理の活動内容を具体的に説明する文書」とされている。

様式は任意だ。定まった書式はなく、自由形式で作成する。

具体的に記載が求められる内容として、複数の実務解説サイトでは以下が挙げられている。

事業活動の実績 売上・契約・入出金の実績。具体的な取引事例や請求書・入金記録の存在が説明できる状態が理想的だ。

経営者本人の関与 どのような経営判断を行ったか。誰と商談したか。どのような業務を自ら行ったか。「名義だけの経営者ではない」ことを具体的に示す内容が求められる。

人員・社会保険の状況 常勤職員の雇用状況、社会保険・労働保険への加入状況。

納税の状況 法人税・消費税・社会保険料等の納付状況。

前回申請からの変更点 前回の更新申請時から事業内容や状況に変更がある場合、その理由の説明。


「任意様式」の意味するもの

様式が任意であることは、一見自由度が高いように見える。しかし実務的には「何を書けばいいかわからない」という状況を生み出しやすい。

任意様式だからこそ、何を書くかによって審査に与える印象が大きく変わる。形式的な内容だけを羅列した文書と、具体的な経営活動を丁寧に説明した文書では、審査担当者が受ける印象が異なる可能性がある。

「任意様式なので適当でいい」という理解は危険だ。


誰が対象か

カテゴリー3・4に該当する事業者が対象となる。

入管の審査カテゴリーは、企業規模や実績によって分類される。上場企業や大規模法人(カテゴリー1・2)は提出書類が少ない一方、中小規模の事業者(カテゴリー3・4)は詳細な書類提出が求められる。

経営管理ビザで日本に在留している外国人経営者の大多数は、中小規模の事業者に該当するカテゴリー3・4だ。つまりほとんどの経営管理ビザ保有者が対象になる。


経過措置期間中の更新でも必須

経過措置期間中(2028年10月16日まで)の更新であっても、活動内容説明文書の提出は求められる。

「経過措置があるから書類を省略できる」という理解は誤りだ。経過措置は「資本金3,000万円等の新基準を満たさなくても一定の条件で更新できる」という猶予であり、審査書類の免除ではない。

むしろ経過措置期間中の更新では、活動内容説明文書が「新基準への適合見込み」を示す重要な書類として機能する可能性がある。


今すぐ準備できること

次回の更新申請に向けて、今から準備できることがある。

日々の経営活動の記録を残す 商談記録、メール・議事録、出張報告書、経営判断の記録——これらを日常的に残しておくことで、活動内容説明文書を作成する際の根拠資料になる。

売上・契約・入出金の記録を整理する 請求書・領収書・通帳の記録を整理しておく。

常勤職員の雇用・社会保険の状況を正常化する 雇用契約書・社会保険加入証明を整備しておく。

記録がなければ、説明文書を書こうとしても書けない。「あの時何をしたか」を後から思い出して書くのではなく、日常的に記録を残すことが、結果的に審査に有利に働く。


まとめ

活動内容説明文書は、2025年7月17日以降の更新申請から原則必須となった書類だ。

「何をしてきたか」を経営者本人の言葉で具体的に説明することが求められる。様式は任意だが、内容の具体性が審査に影響する可能性がある。

経過措置期間中の更新であっても提出は求められる。今から日々の経営活動の記録を残しておくことが、次回更新の準備として最も効果的だ。

日本で過ごした時間を、「更新不許可→帰国」という不本意な形で終わらせないために。


阿部隆昭(あべ たかあき) 申請取次行政書士 / 東京都地域創業アドバイザー 行政書士阿部総合事務所 代表

活動内容説明文書の作成・更新申請に関するご相談はお問い合わせください。

参照した一次ソース

  • 出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』に係る上陸基準省令等の改正について」QA(問19)
  • 出入国在留管理庁 在留資格「経営・管理」更新申請必要書類(2025年7月17日以降)

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