2026年10月13日確認。2025年4月1日から運用されている、特定技能制度の地域連携に関する公式案内に基づきます。
特定技能外国人を採用するとき、入管へ提出する申請書類と、登録支援機関との契約だけを確認していませんか。受入企業には、関係する市区町村へ「協力確認書」を提出するという実務もあります。
2025年4月から始まっている取扱いですが、「支援機関が全部処理しているはず」「入管に出す書類に入っているはず」と考えていると、会社の手元に提出先や提出日が残っていないことがあります。どこへ、いつ、何を確認するのかを整理します。
協力確認書は、受入企業と地域をつなぐ書類
制度改正により、特定技能の受入企業は、地方公共団体から共生施策への協力を求められた場合、必要な協力をすることが基準に加わりました。また、1号特定技能外国人の支援計画は、地方公共団体が実施する共生施策を踏まえて作成・実施することとされています。根拠:入管庁・特定技能制度における地域の共生施策に関する連携。
協力確認書は、会社が必要な協力をする意思を示すための書類です。提出しただけで、在留資格が許可されるものでも、外国人本人の就労可否が証明されるものでもありません。入管への申請と地域への提出を、それぞれ把握する必要があります。
提出先は、事業所所在地と本人の住居地の市区町村
提出先は、特定技能外国人が活動する事業所の所在地と、本人の住居地が属する市区町村です。事業所と住居が同じ市区町村なら、その市区町村へ1通提出します。異なる場合は、それぞれに提出します。入管や都道府県へ提出する書類ではありません。根拠:入管庁Q&A・Q05~Q07。
| 架空の受入れ例 | 確認する提出先 |
|---|---|
| 工場も住居もA市 | A市 |
| 工場はA市、住居はB町 | A市とB町 |
| 活動する事業所がA市とC市、住居はB町 | A市・C市・B町 |
この例は、提出先の考え方を説明するためのものです。提出方法や受付窓口は、各市区町村の案内を確認します。企業の本店所在地だけを見て判断すると、実際の就業場所・住居地の自治体への提出が抜ける可能性があります。
初めて受け入れる企業は、在留資格の申請前に提出する
初めて特定技能外国人を受け入れる場合は、本人と特定技能雇用契約を締結した後、在留資格認定証明書の交付申請又は在留資格変更許可申請をする前に提出します。既に受け入れている場合も、運用開始後に初めて行う変更・更新申請の前に提出する取扱いです。根拠:入管庁Q&A・Q04。
採用日程では、雇用契約、就業場所・住居地の確定、自治体への提出、在留申請を順に確認します。住居の手配を担当する部署と申請を担当する部署が異なる企業では、提出先の自治体が確定した時点で情報が伝わる仕組みを作っておくと、抜けを防ぎやすくなります。
毎回の提出とは限らないが、変更時の確認は必要
協力確認書は基本的に一度提出すれば、同じ事業所で他の特定技能外国人を受け入れる場合などに、毎回再提出する必要はありません。一方、本人が異なる市区町村へ転出する場合や、事業所所在地、住居地、担当者連絡先等に変更がある場合には、該当する市区町村への提出を改めて確認します。根拠:入管庁・協力確認書の留意事項。
企業の実務では、採用時だけでなく、配置変更、住居変更、会社情報の変更を確認のきっかけにします。「採用時に出した記憶がある」で終わらせず、どの自治体へ、いつ、どの事業所・住居地の情報で提出したかを残しておくことが重要です。
「支援機関に頼んだ」と「提出済み」は分けて確認する
入管庁のQ&Aでは、協力確認書の作成は受入企業のほか、行政書士が行うことが可能とされています。提出は企業の代表者・職員だけでなく、弁護士、行政書士、登録支援機関の職員等の代理人も行うことができます。作成と提出の取扱いを同じ意味で捉えないことが必要です。根拠:入管庁Q&A・Q08。
登録支援機関へ依頼する場合は、委託契約や実際の分担を確認し、担当者、提出先、提出日、控えの保管先まで共有します。提出作業を委託しても、協力の意思を示すのは受入企業である点は変わりません。
入管庁の案内では、在留申請に当たり所定の申請書欄へ提出年月日・提出先を記載すれば足り、協力確認書の写しや受理証明を入管へ提出する必要はありません。だからこそ、企業内部では提出状況を確かめられる記録を残しておきたいところです。根拠:入管庁・在留申請時の記載について。
支援計画には、本人が暮らす自治体の情報を反映する
地域連携は書類提出だけで終わりません。自治体の生活案内、行政サービス、防災、医療、日本語教室等の施策を確認し、1号特定技能外国人への支援に反映することが求められます。根拠:入管庁・2025年4月1日からの地域連携の案内。
例えば、会社があるA市の生活資料だけを渡しても、B町に住む本人には、ごみの出し方、災害時の避難先、行政窓口が一致しない場合があります。住所を把握することは、単に通勤経路を調べるためではなく、本人が実際に使える支援を用意するためでもあります。
企業と支援機関の打合せでは、「何の資料を渡したか」だけでなく、「本人の住居地に合っているか」「本人が相談先を使えるか」を確認します。企業側が毎回一から地域情報を集めるのではなく、自治体が公開する案内と相談窓口を活用すると、支援の継続もしやすくなります。
阿部事務所の実務的な視点――委託先との分担を会社の記録にする
外国人雇用で問題になりやすいのは、担当者が熱心かどうかよりも、担当する人と確認する人が決まっていないことです。人事は支援機関が対応していると思い、支援機関は会社が提出したと思っている。その認識の違いを解消するには、分担を具体的な記録にすることが有効です。
弊所としては、協力確認書について、少なくとも「対象の事業所・住居地」「提出先」「作成担当」「提出担当」「提出日」「控えの保管先」「変更時の確認担当」を一覧にする進め方をお勧めします。大がかりなシステムでなくても、社内の管理表で始められます。
この管理があると、採用担当者の交代、支援機関の変更、外国人本人の転居があっても、確認の経緯を引き継げます。在留資格の申請をその都度処理するだけでなく、会社として継続して受け入れる体制を整えることにつながります。
特定技能の受入れ体制について相談する
行政書士阿部総合事務所では、特定技能の在留資格申請と企業側の資料・手続の確認について相談をお受けしています。既に支援を委託している企業からも、現在の分担や提出状況を踏まえてご相談いただけます。
特定技能・協力確認書の対応について相談する 電話:050-5881-7782
