このシリーズを通じて一貫して伝えてきたのは、「登録支援機関が悪い」ということではありません。
登録支援機関は、特定技能外国人の在留支援において法定の義務を果たしている機関です。問題は、登録支援機関が対応する範囲と、対応しない範囲を、企業側が正確に理解していないことにあります。
この最終回では、「誰に何を頼むべきか」を整理します。

登録支援機関が担うこと
特定技能1号特定技能外国人支援計画に基づく10項目の支援業務が、登録支援機関の法定義務です。
- 事前ガイダンス
- 出入国時の送迎
- 住居確保・生活情報の提供
- 生活オリエンテーション
- 公的手続等への同行
- 日本語学習の機会提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 非自発的離職時の転職支援
- 定期的な面談・行政への通報
これらはすべて、在留中の生活支援・情報提供が中心です。
申請取次行政書士が担うこと
在留資格の申請・更新・変更・永住申請——これらは申請取次行政書士の専門領域です。
具体的には以下が該当します。
- 特定技能1号の在留期間更新申請
- 特定技能2号への変更申請
- 永住許可申請
- 家族帯同(家族滞在・特定活動)の在留資格申請
- 育成就労への対応(2027年4月施行後)
- 技能実習から育成就労・特定技能への移行申請
- 雇用契約書・就業規則の外国人対応(行政書士業務)
さらに、定着支援として以下も対応できます。
- キャリアパスの設計(在留資格の観点から)
- 2号移行・永住申請のタイムラインの設計
- コンプライアンスの現状診断と改善提案
社労士が担うこと
賃金設計・社会保険・評価制度・ハラスメント防止体制の整備は、社会保険労務士の領域です。行政書士と社労士を組み合わせることで、外国人雇用のほぼすべての領域をカバーできます。
整理すると
| 領域 | 登録支援機関 | 申請取次行政書士 | 社労士 |
|---|---|---|---|
| 支援計画の実施 | ◎ 法定義務 | — | — |
| 在留資格の申請・更新 | △ | ◎ | — |
| 特定技能2号・永住申請 | × | ◎ | — |
| キャリアパス設計 | × | ◎ | — |
| 就業規則・雇用契約整備 | × | ◎ | ◎ |
| 賃金設計・社会保険 | × | — | ◎ |
| ハラスメント防止体制 | × | — | ◎ |
| 育成就労への移行対応 | △ | ◎ | — |
「誰に相談すればいいかわからない」状態が最もリスクが高い
外国人雇用の問題の多くは、「誰に相談すればいいかわからない」という状態で放置されている間に大きくなります。
不法就労助長罪は「知らなかった」では済みません。2025年6月の法改正により、罰則は「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金」に厳罰化されています。
早期離職のコストは1名あたり80〜300万円規模です。相談するコストより、放置するコストの方がはるかに大きい。
まず現状を把握してください。診断ツールは無料です。
▼ 不法就労リスク診断(28問・5〜8分・無料) ▼ 定着率・離職リスク診断(12問・3〜4分・無料) https://abetakaaki.com/shindan/
診断結果をお持ちいただいた上での初回相談(60分)も無料でお受けしています。
行政書士 阿部隆昭 申請取次行政書士 / 行政書士阿部総合事務所 abetakaaki.com | abeoffice.net
