2026年10月13日確認。制度の開始日、施行日前申請及び分野別の公式案内に基づきます。
「育成就労は2027年4月からだから、来年になってから考えればよい」。そう考えている企業には、今確認していただきたいことがあります。育成就労計画の認定に係る施行日前申請は2026年9月1日から始まっています。
ただし、申請の受付が始まったことと、育成就労外国人が今すぐ勤務できることは別です。企業が取り組むべきなのは、希望する受入れ時期に向けて、仕事内容、育成体制、関係機関の準備を具体化することです。
「制度開始」と「申請受付」と「実際の受入れ」は別の日程
育成就労制度の運用開始日は2027年4月1日です。これに先立ち、監理支援機関の許可に係る施行日前申請は2026年4月15日、育成就労計画の認定に係る施行日前申請は同年9月1日から受け付けられています。根拠:入管庁・育成就労制度に係る施行日前申請。
外国人技能実習機構(OTIT)の案内では、計画認定の審査結果は2027年4月1日以降、順次郵送で通知されます。したがって、「事前に申請すれば4月1日から必ず人員を配置できる」という約束にはできません。実際の受入れには、計画認定と在留・渡航の手続を含めた準備が必要です。根拠:OTIT・育成就労計画認定施行日前申請の案内。
開始予定日の7か月前から5か月前までが申請の目安
OTITの施行日前申請リーフレットは、育成就労を開始する予定日の7か月前から5か月前までの間に申請するよう案内しています。例えば、2027年6月1日に開始する場合は、2026年11月1日から2027年1月1日までの間です。根拠:OTIT・施行日前申請リーフレット。
この日程は申請の案内であり、結果が出るまでの期間や、入国日を保証するものではありません。年末年始の郵送や書類の修正も含め、実際の提出は余裕を持って調整したいところです。
申請書は原則として、2027年4月1日以降の育成就労開始時点の状況に基づいて作成します。一方、申請時点・認定時点で満たす要件もあります。合併や法人化を予定する企業は、現在の社名・体制だけで書類を作り始めないよう、計画と必要手続を整理する必要があります。根拠:同リーフレット。
企業が先に決めるべき4つのこと
1.実際の仕事内容と対象分野・業務区分
人手不足の部署があるというだけでは、育成就労計画は作れません。外国人が行う作業、就業場所、技能の習得目標を具体化し、対象分野の基準と照合します。
分野別協議会等への加入を示す資料や、分野ごとの上乗せ基準に関する資料も確認事項です。OTITは、分野別の基準と必要資料を確認してから申請するよう案内しています。根拠:OTIT・申請書類作成時の留意事項。
2026年10月9日には、飲食料品製造業・資源循環の分野別運用要領の公表と、鉄道・木材産業の運用要領改正が案内されました。古い説明資料だけで判断せず、自社の分野で最新版を確認することが重要です。根拠:OTIT・制度の更新情報。
2.育成を担当する人と、現場の時間配分
企業として、誰が技能を指導し、誰が生活上の相談を受け、誰が進捗を記録するかを決めます。現場責任者が「人員補充として来る」と考え、人事担当者が「育成を伴う受入れ」と考えていれば、計画と現場の運用に差が生じます。
制度の要件としても、育成就労責任者・育成就労指導員・生活相談員の養成講習などを確認する必要があります。担当者の名前を記載するだけで終わらせず、講習受講状況と実際の担当業務を確認します。根拠:入管庁・育成就労制度Q&A(育成就労実施者関係)。
3.日本語学習と試験の予定
入管庁のQ&Aは、日本語能力の目標を基本的に3年間でA2相当とし、開始から1年以内のA1相当の試験受験なども説明しています。就労開始前の要件には、A1相当以上の試験合格又は所定の講習受講という取扱いがあります。具体的な試験や高い水準の要件は、分野別運用方針を確認します。根拠:入管庁・育成就労制度Q&A(Q56、Q63、Q64等)。
企業の実務としては、講習を受ける場所、受講日、試験申込みの担当者、勤務予定との調整、費用の扱いを具体化します。「本人が日本語を勉強する予定です」という説明だけでは、受講・受験の機会が現実に確保されているかが分かりません。
4.監理支援機関と送出機関の準備状況
監理型の施行日前申請では、監理支援を行う法人が技能実習法上の監理団体の許可を受け、監理支援機関の許可の施行日前申請も行っていることが必要です。監理支援機関として許可されなければ、育成就労計画も認定されません。暫定送出機関リストと認定送出機関リストの違いも確認事項です。根拠:OTIT・施行日前申請リーフレット。
企業は、「以前から取引があるから対応できるはず」という推測で採用日程を決めるのではなく、申請状況、担当する分野、対象国の手続、計画作成の担当範囲を確認します。
阿部事務所の実務的な視点――書類の前に、現場の受入れ計画を確認する
外国人雇用の相談では、「いつ何人来てもらえるか」が最初の関心になります。ただ、育成就労では、人員を確保する予定と、技能・日本語を育てる予定を一緒に組む必要があります。
弊所としては、採用担当者だけでなく、現場の責任者にも、業務内容、指導者、勤務予定、学習・試験の時間について確認する進め方が重要だと考えます。書類には育成の内容が整っていても、現場に教える人や時間がなければ、計画の実行が難しくなるためです。
例えば、繁忙期に受け入れたい工場であれば、来日後の講習や習熟に必要な時間も見込んで配置を考えます。初日から既存社員と同じ生産量を期待する計画では、受入れ側と本人双方に無理が生じやすくなります。
最初の打合せでは、「開始希望日」「予定人数」「具体的な作業」「指導を担う部署」「関係機関の準備状況」を揃えることをお勧めします。それが揃うと、申請資料の不足と、社内でまだ決まっていない事項を区別しやすくなります。
現在の技能実習生も、自動的に育成就労へ変わるわけではない
技能実習には経過措置があります。既存の技能実習を続ける人と、新たに育成就労として受け入れる人について、在留資格、計画の段階、開始時期を個別に確認する必要があります。OTITは1号技能実習計画の認定申請について、2027年2月までに行うよう案内しています。これは実務上の提出案内であり、法律上の経過措置の期限と同一に扱わないことが大切です。根拠:OTIT・技能実習制度の経過措置について。
育成就労の準備について相談する
行政書士阿部総合事務所では、外国人雇用の在留資格・予定業務の確認と、申請準備について相談をお受けしています。労働条件や社会保険などの事項は、必要に応じて社会保険労務士等とも連携し、企業の実際の受入れ体制を踏まえて進めます。
育成就労・外国人の受入れ準備について相談する 電話:050-5881-7782

