特定技能2号・永住申請、登録支援機関はサポートしてくれない——行政書士が担う領域を整理する

「永住申請は本人がやるものだと思っていた」

申請取次の現場でよく聞く言葉です。特定技能外国人を雇用している企業の経営者・人事担当者の多くが、在留資格の更新以外の手続きを「外国人本人の問題」として切り離して考えています。

しかしこの認識が、優秀な外国人スタッフの流出につながっています。

なぜ在留資格が「定着」に影響するのか

外国人にとって、在留資格は「日本にいられるかどうか」を決める根拠です。在留期限の不安・次のビザへの移行への不安・家族を呼び寄せられるかどうかの不安——これらが解消されないまま働き続けることは、精神的なコストが高い状態です。

「この会社にいれば在留資格が安定する」という確信を持てた外国人スタッフは定着します。逆に「将来が見えない」と感じた時点で、転職先を探し始めます。

登録支援機関が対応できる範囲と、できない範囲

特定技能1号の在留資格更新は、登録支援機関が支援計画の中でサポートできます。しかし以下は、登録支援機関の法定支援業務の範囲外です。

特定技能2号への移行申請

特定技能1号は通算5年が上限です。2号への移行には、分野ごとの試験合格と一定の実務経験が必要で、申請書類の作成・提出は申請取次行政書士が担います。登録支援機関が「2号の申請までサポートしてくれる」と思い込んでいる企業は少なくありませんが、これは法定支援業務には含まれていません。

永住申請

特定技能2号を取得した外国人は、一定の要件を満たせば永住申請が可能です。永住許可が下りれば、在留資格の制限がなくなり、企業にとって最も「長期定着」を期待できる在留資格です。永住申請は申請取次行政書士の専門領域です。

家族帯同(家族滞在・特定活動)の在留資格

特定技能2号になると家族帯同が認められます。家族の在留資格申請は、本人の特定技能2号申請と並行して進める必要があり、これも行政書士が担う領域です。

「2号・永住」のサポートが企業にとって武器になる理由

外国人スタッフに対して「特定技能2号取得・永住申請を会社としてサポートします」と明示できる企業は、採用競争力が大きく上がります。

特に、同じ業種・同じ給与水準で採用を競っている場合、「将来の在留資格のサポートがある企業」は外国人にとって明確な優位性になります。

これは「優しい会社」のアピールではなく、「この会社にいれば将来が安定する」という具体的な根拠の提示です。

現時点での注意点

特定技能2号の対象分野は、2026年5月現在で拡大が進んでいます。ただし分野によって要件・試験内容・実務経験の基準が異なります。自社の外国人スタッフが従事する分野において、2号移行が可能かどうか・いつ頃申請できるかは、個別に確認が必要です。

永住申請の要件も、2024年以降の入管法改正の影響を受けて変化している部分があります。「以前聞いた情報」が現在も正確とは限りません。

不確かな情報のまま外国人スタッフに説明することは、後でトラブルになります。専門家に確認してから案内することを強くお勧めします。


行政書士 阿部隆昭 申請取次行政書士 / 行政書士阿部総合事務所 abetakaaki.com | abeoffice.net

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